モーツァルト 奇跡の音楽を聴く
宇野 功芳
モーツァルト:ピアノ・ソナタ全集 vol.2
ピアノ・ソナタ第七番 ハ長調 K309(284b)
ピアノ・ソナタ第八番 イ短調 K310(300d)
ピアノ・ソナタ第九番 ニ長調 K311(284c)
"鳥羽がクラウスよりもいいんです。こんなことは今までなかったし、これからもわからない。この曲をこの本で採り上げたわけは鳥羽泰子のCDが出たからですよ。
第一楽章は、天国から聴こえてくるようです。柔らかく色があって音楽そのものクラウスは、「うまい!」と思うんだけれども、鳥羽は、うまさも感じさせないほど自然に曲の美しさが伝わってくる。クラウスが、いつもの調子でうまく弾くと、曲が落ちるな、と思ってしまうんですが、鳥羽が弾くと、あれ?いい曲だな!と思う。そんなことを感じたのは、これが初めてだね。"
ベートーヴェン 奇跡の音楽を聴く
宇野 功芳
ベートーヴェン:ピアノ三重奏曲《大公》《幽霊》
ピアノ三重奏曲第7番 変口長調 作品97《大公》
"アリスタ・トリオは天才的なピアニスト、鳥羽泰子が、ウィーン・フィルのメンバー2人を巧みにリードして成しとげた名演で、録音の新しさも加味し、あえてカザルス・トリオと同格の評価をあたえた。カザルス・トリオは演奏者よりも作品の偉大さが前面に出ているところがすばらしいのだが、アリスタ・トリオもまったく同じなのである。"
レコード芸術
2020年3月号 CD評
文:鈴木 裕
メンデルスゾーン: ビアノ三重奏曲第1&2番 東京トリオ
"重厚な響きで綴られたメンデルスゾーンだ。第2番の終曲など、その重量感はただごとではない。これは思うに、3人がメンデルスゾーンのスコアにドイツ・ロマン派ならではの濃厚な情念を見出していることの結果ではないだろうか。”
レコード芸術 新譜月評
2007年5月号
モーツァルト:ピアノ小品集
”先年発表された、ウィーン在住のピアニスト鳥羽泰子の『モーツァルト・ピアノ・ソナタ全集』は、近頃まれなほど印象深いアルバムであった・・・・・その彼女が『ソナタ全集』への追補というよりは、またあらたな一歩といった趣で世に送るこのディスクは、持前のテンペラメンタルな魅力を最上のかたちで繰りひろげ得たことにおいて、非常に大切な、心底から愛着をおぼえさせる1枚となった。”
レコード芸術
New Discs & Artists 5
クレメンティ:ピアノ ソナチネ集
文:安田 和信
”単独の企画か、続編か視野に入れているのか、鳥羽が本盤をどのような意図で作ったのかは知らぬが、できればクレメンティの独奏曲全集に発展していくことを期待したい。クレメンティのソナタには名作が少なからず含まれているのだから。それは無理でも、数枚のアンソロジー(「ロンドン・ピアノフォルテ楽派」という文脈に広げても面白そうだ)を期待したい。”
モーツァルト:ピアノ三重奏曲
CDライナーノート
モーツァルト:ピアノ三重奏曲
文:宇野 功芳
”...そして島羽泰子が水を得た魚のように全体の主導権を握り、まことに活き活きと振る舞っている。しかもソナタほど入れこんでないぷん、モーツァルトの天国的な美しさが際立つことになる。”
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